秋に向けての土壌改良作業

こんにちは、和多瀬です。

お盆が終わり、夕方の風が少し涼しくなってきた気がします。

トゥリーアンドノーフでは、有機じゃがいも(男爵とメークイン)の収穫と出荷が終わり、栽培中の野菜は現在、有機千両なすのみ。

とは言え、暇しているわけでは全くなく、この夏にやるべき非常に大切な作業の準備と実行を進めています。

畑の土壌改良です。

「土を掘りかえす(硬盤破砕+心土耕)」と「太陽熱養生処理」という2つの方法で、土壌改良していきます。

土を掘りかえす(硬盤破砕+心土耕)

すべての畑で、まずは「土を掘りかえす」という何ともパワフル且つシンプルな方法で土壌改良を進めています。

野菜が根っこを伸ばす深さは、20センチほどと言われています。それよりも下には「硬盤(こうばん)」、さらにその下に「心土(しんど)」という層があります。

硬盤は非常に硬い土層で水を下に通さないので、畑の水はけを悪くします。心土は硬盤が邪魔して野菜の根っこが届かないため、養分がたっぷりと溜まっています。

つまり、この硬盤を崩し、その下にある養分たっぷりの心土を、野菜を栽培する地表20センチの深さに持ってきてやれば、水はけの良い、養分たっぷりの畑になるというわけです。

この、硬盤を掘りかえす作業を「硬盤破砕」、心土を掘りかえす作業を「心土耕(心土破砕)」と言います。

硬盤や心土は深さ40センチほどにあり、ふつうのトラクターでは耕すことができません。そこで、プラソイラという専用の器材を使います。赤いトラクターの後ろに付いている、大きな爪がソレです。

鳥取のおいしい野菜 TREE&NORF 秋に向けての土壌改良作業 プラソイラで心土耕

プラソイラをトラクターで引っ張ると、深くまで爪が入って土を掘り返すことができます。

鳥取のおいしい野菜 TREE&NORF 秋に向けての土壌改良作業 プラソイラで心土耕

土の掘りかえしが終わったら、野菜を栽培するためのを立てます。

太陽熱養生処理

次に、「太陽熱養生処理」を実施します。

簡単に言えば、畑に水分と養分を加えた状態でビニールシートで覆い、太陽の熱で加熱することで、土の状態を野菜の栽培に適した状態にする作業です。

まず堆肥とミネラルを散布します。この畑には、秋からにんじんを栽培する予定なので、それに必要なミネラル量を計算して散布しています。

その後、たっぷりと水分を与えてやります。

鳥取のおいしい野菜 TREE&NORF 秋に向けての土壌改良作業 太陽熱養生処理

シャワーに加えて、散水用ホースを使用します。この日はポンプの調子が悪くて、水がチョロチョロしか出ませんでした(涙)。

鳥取のおいしい野菜 TREE&NORF 秋に向けての土壌改良作業 太陽熱養生処理

十分に水分を加えたら、幅6メートル、長さ100メートルの巨大なビニールシートをかけていきます。

鳥取のおいしい野菜 TREE&NORF 秋に向けての土壌改良作業 太陽熱養生処理

まだ中間点!

鳥取のおいしい野菜 TREE&NORF 秋に向けての土壌改良作業 太陽熱養生処理

ビニールシートは観音折りになっています。一旦、奥まで引っ張ってから、観音扉のようにビニールシートを左右に開いて畑の土を覆っていきます。

ようやく完成!

鳥取のおいしい野菜 TREE&NORF 秋に向けての土壌改良作業 太陽熱養生処理

ビニールシートが風で飛んだり、隙間が空いて空気が入り込んでしまわないように、畝間に水を流し込み、重しの代わりにします。

鳥取のおいしい野菜 TREE&NORF 秋に向けての土壌改良作業 太陽熱養生処理

この状態を2週間強、継続することで、積算温度900度(1日あたりの土の温度:50度前後×18日間=900度)を土に与える予定です。

これによって、畑の土がフカフカになるだけでなく、病気になりにくく害虫が出にくい状態になるはずです。

真夏の炎天下、この作業は大変ですが、太陽熱養生処理にもっとも適した季節ですし、野菜が健康に美味しく成長する要(かなめ)の作業ですから、ふんばり時です。

野菜づくりは土づくり、ですからね。


和多瀬 彰

TREE&NORFのWEBサイト、印刷物などの制作を担当しています。趣味はキャンプと読書。最近、初めての子どもが生まれ、バタバタな毎日を送っています(詳しいプロフィールはこちら)。

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