「なぜ、農業を始めたのですか?」TREE&NORF 代表 徳本修一 インタビュー

服部です。

いよいよ2016年がスタートしましたね。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

年頭に際し、自分たちの原点に立ち返る意味で、TREE&NORF代表の徳本に聞きました。

「なぜ、農業を始めたのですか?」

祖母のトマト

――農業を目指したきっかけは?

今から約7年前の2008年頃、僕は東京で働き、生まれたばかりの子どもたちを育てながら暮らしていました。

彼らに与える食事の材料は、近所の24時間営業の巨大なショッピングモールで買っていたんですが、誰が作ったか分からない、鮮度も良くない、そして自分が食べても美味しいと思えないものをわが子に与え続けることに強い不安を覚えました。

そんな時、地元鳥取での少年時代、夏休みに祖母が畑で作ったトマトの味を思い出したんです。

TREE&NORF/祖母のつくったトマト

近くの小川で冷やして食べる熟れたトマトは、とても味が濃く美味しかった。周囲の田園、山、川、風、蝉の音、全てが豊かで、幸せな原風景としてよみがえりました。

それをわが子に伝えたいと強く思いました。鳥取に帰り、農業を始めようと思い立ったんです。

大切なのは土作り

――大切にしていることは?

農業は土作りが最も大切。とにかく土を柔らかくすること(土の中の有機物を増やし、団粒構造*を作る)を目指して、いろいろやってきました。TREE&NORFを立ち上げてから数年は、明確な根拠のない、経験や勘に基づいた肥料設計をしていたんですが、なかなか結果がでなかった。非常に苦労しました。それで、きちんとデータで見ることにしたんです。根拠のある、理に適った土作りをしようと。
*団粒構造:土中の有機物によって細かな粒状になった土。保水性、排水性、通気性が高い、作物の生育に適した土の状態と言われています

しかし、データ上は完璧でも、相手は自然、その通りにはまず上手くいかないんです。日々の生育状況を観察しながら、適切な判断・管理をしていくこと。このノウハウこそが農業で最も重要な技術であり、これを見える化して、組織として体系化していくことが最も大切だと考えています。

時に、有機農業は思想や哲学的に語られがちで、儲けが蔑ろにされることもあるんですが、やはり事業として、産業として、生産者自身がしっかり稼ぎ、豊かになることが重要だと考えています。

大変だけど、農業は魅力がいっぱい

――農業法人を作って良かったと思うことは?

農業法人を作ってからは、農業をやっていくんだという本気度が人に伝わりやすくなりました。それは、家族であったり、地域であったり、お客であったり。でも、もう完全に後に引けなくなりました(笑)。

TREE&NORF/農業を始めたころの徳本修一
鳥取にUターンし、農業法人を立ち上げた頃の徳本修一

――苦労していること、難しいと感じることは?

僕たちの栽培方法は、化学合成農薬や化学合成肥料を使用しないので、何かしら病気や害虫などの問題が起きた時に、抑止する手段が非常に限定されます。だからこそ、問題が生じ始める兆候を的確に読み取り、事前に問題の芽を摘んでいく観察眼や対応力が必要なんです。

しかし、この部分に関してはデータだけでなく、ある程度の経験も必要になってきます。気候や日々変化する生育状況など不確実性に対する対応力をどう体系化し、人材育成に反映させていくかは常に頭を悩ましています。

――農業の魅力・やりがいは?

自然の中で仕事をするので、凍てつく冬や蒸し暑い夏など、肉体的に辛い時もありますが、日々変化する四季の中で土と野菜と向き合う仕事は、創造性と充実感に溢れています。

TREE&NORFの圃場

獲れたての野菜でサラダやスープを作り、スタッフと昼時にワイワイ言いながら食べている時、本当の贅沢とはこういうことだとしみじみ思いますね。

TREE&NORFのメンバーで鍋を楽しむ

お母さん、子どもたちに、健康でおいしい野菜を

――これからの目標はなんですか?

自分が農業を始めたきっかけと同じですが、健康で美味しい野菜を、より多くのお母さん、子どもたちに食べてもらうことが一番の目標ですね。

それを実現するために、技術を体系化し、人材を育て、日本で最大規模の農業法人を作り上げ、生産コストを下げ、適正な価格で安定供給出来る仕組みを作ることが必須になってきます。

――最後にこのページを読んでくださっている方に一言

畑は冬野菜の収穫真っ只中です。寒い季節は家族で鍋を囲んでおいしいご飯が食べたいですね。TRR&NORFの野菜たちで、しあわせな食卓を囲んでくださいね〜!


服部 美咲

バッグデザイナーを経てトゥリーアンドノーフに入社。いつもピカピカの野菜に元気をもらってます。鳥取県に移住して2年目。6歳のうさぎと二人暮らし。

You may also like...

ご意見・ご感想をお聞かせください

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


page top