大切なご報告(2017年版)

徳本です。

今から2年前の2015年にも、同じ名前の記事を書きました。その記事では、当時の僕たちの野菜栽培の基軸となっていた固定種野菜の栽培を止める、という報告をしました。

今回の大切なご報告は、僕たちTREE&NORFが「鳥取県産以外の野菜」の生産と販売を始める、というものです。

視察で目の当たりにした「適地適作」

僕たちは、鳥取県気高町飯里を拠点に農業をしています。

自分たちの畑で、でできるだけたくさんの種類の野菜、特に普段の生活でよく使う、じゃがいも、玉ねぎ、にんじんといった野菜を栽培したいと考えてきました。

特にじゃがいもについては、取引先からの希望もあり、昨年まで、比較的大きな規模での栽培に挑戦していました。

しかし、どの野菜についても、なかなか芳しい結果が出ない年が続きました。

もちろん、自分たちの栽培技術や知識の不足、規模が大きくて管理が困難、といった原因もあると思います。

しかし、苦しい状況をなんとか打破したいと著名な農業家、農業法人に視察をお願いし、全国各地を回っていて気づいたのです。

その土地、その気候風土に適した野菜がやっぱりあるのだと。

トゥリーアンドノーフ-農業視察

自分たちが作りたい野菜が、いつでもどこでも作れるわけではなく、野菜の種類によって適した季節、気候や土壌が当然あります。それを無視して、技術だけでカバーしようと思っても無理が生じる可能性が高い。

人間が管理するとはいえ、野菜も自然の一部なのですから、当然です。

議論と吟味を重ねた結果、2017年現在、トゥリーアンドノーフは有機小松菜の栽培に注力しています。

目標を実現するために

ところで、トゥリーアンドノーフは「一人でも多くのお母さんと子どもたちに、安全で美味しい野菜を届けます。」という目標を掲げています。

この目標を実現した世界を具体的に想像する時、どれだけの種類の、どれだけの量の「安全で美味しい野菜」を、どれくらいの価格で届ければいいのかを考えるのですが、小松菜だけを栽培していても、このテーマを実現できたと胸を張るのは正直心苦しいわけです。

しかし、自分たちだけでたくさんの種類の野菜を大量に栽培し、全国津々浦々のお母さんと子どもたちに届けるのは難しい。

では、どうすればいいのでしょうか。

全てを自分たちだけでやるのではなく、適地適作で、それぞれの気候風土に合った野菜を作っている全国の仲間と一緒に、志を一にし、「一人でも多くのお母さんと子どもたちに、安全で美味しい野菜を届けます。」の実現を目指して進んでいけばいいのではないか、そう考えるようになったのです。

では、どんな仲間と一緒にやるか

視察のために全国の農業家と会う中で、「この人は僕たちと同じ方向を向いているな」と感じる人がたくさんいました。

そんな、同じ方向を向いている人たちがどんな人たちかと言うと、

  1. 科学的なアプローチで有機栽培を実践している
  2. 栽培技術の向上のために、栽培過程の記録を付け、共有できる
  3. 大規模を志向している

の3点になります。

1.科学的なアプローチで有機栽培を実践している

野菜を植える畑の土が今、どんな状態なのか。そこで野菜を健康な状態で育ててやるために、何を与え、どんな状態にしてやらなければいけないのか。栽培中の野菜に何が不足し、あるいは逆に何が過剰なのか、どんなことをしてやるべきなのか。

野菜を栽培する際に必要なこうした質問に対して、これまでの農業は、個々人の経験と勘が答えを出してきました。

一方、僕たちは野菜の栽培に科学的視点、アプローチを導入し、収集したデータをあらゆる活動の根拠としています。

いわば、科学的有機農業です。

同様の手法をとる農業家は、農業界全体としては少数派ですが、全国各地にたくさんいて、しかも確実な結果を出していることが多いです。

2.栽培技術の向上のために、栽培過程の記録を付け、共有できる

科学的有機農業は、その手法から、野菜の栽培に関するデータを大量に取得します。このデータを翌年、また翌年と蓄積し分析することで、知識と技術の精度は高まるはずです。

しかし、農業の栽培サイクルは(野菜の種類にもよりますが)数か月と長く、ある仮説に基づいた行動の答えを得るのにかなりの時間を要するため、たくさんの手法を試したくても時間が足枷になるケースが多くあります。

では、同じような仮説に基づいた行動の答えが既に出ていて、自由に見ることができるとしたらどうでしょうか。それが希望どおりのものなら実践すればいいですし、そうでないなら、別の仮説に基づいた手法で野菜を栽培することができます。そしてそこから導き出された答えは、まだ試していない別の農業家にも役立つはずです。

ネットワークで繋がった農業家たちの集めたデータが集積、共有されることで、有機栽培の知識や技術が体系化され、携わる農業家たち全体の知識や技術を向上させることができるのではないか。

そう考える農業家は、僕たちだけではないはずです。

とかく、閉鎖的だと言われる農業界ですが、科学的なアプローチで農業に取り組んでいる農業家たちは、情報を共有することが教えるだけでなく教えられること、むしろ得ることの方が多いことを知っている人が多い気がします。

3.大規模を志向している

一般的に有機栽培は、栽培技術が体系化されておらず、管理が難しいとされていることから、比較的小規模な面積で実践されていますが、僕たちは逆に、大規模を志向しています。

その理由は、上記の目標を実現するためですが、それ以外にも、流通の安定化、作業の効率化、低価格化が実現できると考えているからです。

「有機野菜は売ってる時とそうでない時がある」「有機野菜は値段が高い」といった、何となく一般化してしまった有機野菜に対する常識を覆す手段の一つが、大規模化なのです。

他県産のトゥリーアンドノーフ

以上の3つのポイントで深く共感し、且つ、僕たちの掲げる目標を共に実現しよう考えてくれる仲間がつくる有機野菜を、トゥリーアンドノーフの野菜として販売します。

その第一弾として、岡山県の仲間がつくるじゃがいも(メークイン)を、今月下旬より出荷予定です。

岡山県産TREE&NORFラベル

この取り組みは、僕たちにとって大きな方針転換となります。

しかし、自分たちのやりたいことにこだわるよりも、目標を実現させ、日本の子どもたちに安全で栄養価の高い、美味しい野菜を届ける。それにより家族が幸せになることのほうが、はるかに大切なことだと思います。

岡山県の仲間(後日、詳しくご紹介します)をはじめ、今後も全国的に提携農場を増やし、より多くのお母さんとこどもたちにトゥリーアンドノーフの野菜を届けることができるよう、がんばっていきます。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


徳本 修一

トゥリーアンドノーフ代表取締役。芸能マネージャー、歌手活動を経て、子どもたちがおいしく安心して食べられる野菜を作るため鳥取に帰郷しトゥリーアンドノーフを発足。おいしい野菜を作るぞー!(詳しいプロフィールはこちら)

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