本気で「儲かる農業」を目指す

本ページの情報は2016〜2017年頃に実施していた内容についてのものであり、現在実施している内容とは異なります。
更新を予定していますが、直近の農業経営に関する考え方や意見は、当社のYouTubeチャンネルにて発信していますので、よろしければそちらをご覧ください。

はじめに

このページをご覧の方は、おそらく、農業に従事されているかこれから農業を始めようと考えている、または農業に関心のある方だと思います。この『本気で「儲かる農業」を目指す』のページは、そうした方々ともっと率直に情報・意見交換したい、という思いから開設しました。

農業は非常に閉鎖的な世界だと言われています。「お隣りがやって来たら肥料袋を隠す」と言われるほどです。しかし、そうした傾向や慣習が、農業自体の発展や進化を阻害してきた可能性もあるのではないでしょうか。

また「地域農業の担い手」や「農村の景観を守るために」といった言葉に見られるように、一般的な仕事で大切な要素、つまり「稼げる」「儲かる」という要素が農業から欠落しているように見受けられます。

トゥリーアンドノーフは、「最高に健康で、最高に美味しく、最高に高栄養価の野菜」の栽培と、多収穫による高収益な農業を目指しています。その目標に向けて踏み出したばかりで何も達成できていませんが、目標到達までの過程を、できる限りオープンに、詳細に伝えていきたいと思います。

「儲かる農業」とは? 実現するとどうなるのか

関係者が豊かになる

トゥリーアンドノーフで働くスタッフが技術や労働の対価として適正で、十分な報酬を得て、経済的に豊かな暮らしが送れること。また、計画的に休暇をとり、自分の人生を楽しめることが大前提。さらに、畑を提供してくれている地主、取引先など、関係する全ての人たちが幸せになれる状態を目指します。

農業と市場が豊かになる

最高に健康で、最高に美味しく、最高に高栄養価の野菜を多収穫できる=儲かる仕組みを体系化し、共有することで、有機農業に取り組む会社や個人農家が増えていきます。結果、現在、流通する野菜のうちほんの僅かしかない有機農産物が増え、より手頃な価格で、より多くの有機野菜が消費者に届きます。

地域がより豊かになる

鳥取県は海と山が近く、これを川が繋ぐため土地が肥えています。自然が豊かなこの地域で、雇用を生み、持続的で経済的な産業を興すなら、「儲かる(有機)農業」しかありません。愛着のある土地で、やりがいのある儲かる仕事をする住民が増えることで、地域の個性が際立ち、より豊かになるはずです。

どうやって儲けるのか?

考え方はシンプルです。例えば、1ヘクタールから1トンの野菜を収穫して100万円の売り上げがあったとします。では同じ1ヘクタールから5トンの野菜が収穫できたとしたら、どうでしょうか? ごくごく単純に考えれば、売り上げが5倍の500万円になります。

これを人件費その他のコストを抑えたまま実現します。当然、流通価格もある程度抑えることが可能になりますので、美味しくて、安全な方法で栽培された有機野菜が、手頃な価格で消費者に届くことになります。

以上がトゥリーアンドノーフが考える「儲かる農業」ですが、2016年3月現在、ほど遠い状態にあります。その大きな要因は一つ、それによって様々な破綻が生じました。以下をご覧ください。

これまで私たちが抱えていた問題

原因:技術指針のない活動

私たちが取り組んでいる有機農業には、農業界全般に広く認められている有用な技術体系が存在しません。就農当初、地元の有機農業家たちの助言、指導を受けながらの試行錯誤を続けていましたが、私たちのような大面積展開の場合は技術論が異なりますし、またその経験を有する農家も皆無です。つまり私たちは、明確な技術指針を持たないまま、有機農業に取り組んでいたというわけです。これが「2つの破綻」へとつながります。

破綻1: 栽培計画

技術指針のない状態で試行錯誤を繰り返していた私たちが得たものは、当然のことながら惨憺たる結果でした。失敗(野菜が計画どおりに栽培、収穫できない)しても、技術指針のない状態では検証もできず、誤りや問題点を洗い出し、同じ失敗を繰り返さないようにすることができませんでした。私たちの栽培計画は、そうした非常に不安定な栽培技術のもと作成されており、当然、計画どおりに進むことはありませんでした。

破綻2: マネジメント

技術的な指針がない状態では、あらゆる管理が困難になります。計画の破綻が続けば、現場は混乱しますし、スタッフの士気は下がります。スタッフもどのような技術を高め、知識を習得していけばいいのか分かりませんし、管理する側も正しい指導やマネジメントができません。肥培管理も明確な拠り所がないわけですから、寄せ集めた知識を整合性のない状態で現場に落とし込むなど、農作業自体のマネジメントも破綻しました。

これらの問題にもがき苦しむ中で、私たちの光となったのが2015年の秋に出会った、BLOF理論です。

BLOF理論との出会い

BLOF理論は、土壌分析を重視し、植物生理学に基づいた有機農業の方法論です。これまでの農業で大切とされてきたKKD(経験・勘・度胸)に基づくものではなく、科学的・論理的な内容は、私たちが抱えていた問題の根本原因である「技術指針のない状態」を解消し、破綻状態を改善する大きな可能性があるものです。

これから更新していく私たちの栽培記録を読めば、BLOF理論の一端を理解することはできますが、ご興味のある方はぜひ、本理論を提唱する株式会社ジャパン バイオ ファームのWEBサイトをご覧いただきたいと思います。

BLOF理論の実践記録

BLOF理論は、あくまで「理論」です。私たちの実際の状況(施設、設備、ほ場、周辺環境等)に合わせて実践するには、時に必要なことも割愛し、時にカスタマイズし、その時々で最適化していく必要があります。以下は、私たちが実際に実行した栽培や堆肥づくりの記録ですが、そのような理由で、教科書どおりではない箇所もあります。あくまで現在の状況に対して、私たちが最善と考えた内容の実行記録です。

2019年6月19日追記

現在の僕たちとBLOF理論

現在は、ここに書いているように100%、忠実にBLOF理論に沿って計画を立案し、作業を進めているわけではありません。以下に掲載している記事のように、およそ2年間、それを試みてきたわけですが、環境や規模によってBLOF理論が机上同様、現場で完全に再現できるわけではないことや、再現するためにはコストがかかり過ぎ、収益性の面で問題が生じることがわかってきました。僕たちが今、BLOF理論をどのように見ており、またどのような考えを軸として農業に取り組んでいるかは、また後日ブログにてお伝えしたいと思います。

「本気で儲かる農業を目指す」ブログ

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