堆肥づくり計画変更、牛糞堆肥のみ散布することに

徳本です。

前回、9月以降の作付けに向けた太陽熱養生処理に使用する堆肥の仕込みについてお伝えしました。

土壌分析の結果に基づいた施肥設計で、刈り草や牛糞堆肥、鶏糞、菌体などを混ぜて仕込んだ堆肥(以下、仕込み堆肥)。マルチシートで覆い、内部を60度前後に維持して分解と発酵を進め、およそ2週間で仕上げる計画でした。

が、、、

仕込み堆肥、仕上がりませんでした

まず容積ですが、1/5程度になるまで分解が進む見込みでしたが、10〜20%ほどしか減っていません。

鳥取のおいしい野菜 TREE&NORF ほ場の堆肥を散布

そのうえ、リグニン質を多く含む小枝などがそのままの形で残っているのが散見されます。

鳥取のおいしい野菜 TREE&NORF ほ場の堆肥を散布

試験的にこの状態の仕込み堆肥をほ場に散布してみましたが、マニアスプレッダに適切な重量を積載できない、分解・発酵状態にムラがあり均一な散布ができない、マニアスプレッダに草が絡まり作業が中断するなど、作業効率が極端に悪い……。

また、草の分解が思うように進んでいないために炭素率は25より高くなることが想定され、さらには、ほ場にモアで破砕した雑草が相当量残っていることから、これから膨大な炭素を分解する微生物のエネルギーとして大量の窒素が消費され、窒素飢餓のリスクも想定されます。

そこで、仕込み堆肥は、今回は使用を見送り、1〜2か月かけてじっくり分解・発酵を進め、また別の用途で使用することにし、以下のように計画を変更しました。

計画変更

ほ場に生えていた雑草は元々50センチ前後の高さがあり、その場合反当約3トンの草(炭素)がほ場にあると算定。元々の牛糞堆肥の炭素率と畑にある草の量を踏まえ、C/N比25程度になる量の牛糞堆肥のみを散布する計画に変更しました。

牛糞堆肥をユンボでマニアスプレッダに積載し、

鳥取のおいしい野菜 TREE&NORF ほ場の堆肥を散布 タカキタのマニアスプレッダ

堆肥場からほ場までトラクターでマニアスプレッダを運び、散布。

鳥取のおいしい野菜 TREE&NORF ほ場の堆肥を散布 タカキタのマニアスプレッダ

鳥取のおいしい野菜 TREE&NORF ほ場の堆肥を散布 タカキタのマニアスプレッダ

マニアスプレッダにはおよそ2トンの牛糞堆肥を積載できるのですが、10~20a程度散布すると空になります。空になれば、当然、堆肥場に戻って堆肥を積載し、またほ場に戻ってくるという繰り返しなのですが、堆肥場とほ場が離れていると、往復するだけでもかなりの時間を要することになります。

今回使用しているマニアスプレッダはメーカーに借りたものですが、こうした機材を選定する際のスペック、堆肥場を設置する場所など、今後、ほ場を拡大していく中で作業効率性に大きく影響する部分ですから、慎重に検討するべき要素であることに、今回あらためて気づかされました。

ほ場への堆肥散布が完了したら、8月上旬からおよそ4週間、太陽熱養生処理を実施する予定です。


徳本 修一

トゥリーアンドノーフ代表取締役。消防士、芸能マネージャー、歌手、ITベンチャー役員を経て、子どもたちがおいしく安心して食べられる野菜を作るため鳥取に帰郷しトゥリーアンドノーフを発足。コメで世界を獲ったるで!(詳しいプロフィールはこちら)

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