元肥(もとごえ)とは、作物を植えつける時かそれより前に肥料をまくこと、もしくはその肥料のことです。対になる言葉が追肥です。
読み方いろいろ
もとごえ、もとひ、がんぴ、げんぴ、等の様々な呼ばれ方をしますが、全て元肥のこと。農家の人と話をしていて混乱することがしばしばです(汗)。
ちなみに英語はbase fertilizer(ベース・ファーティライザー)。こちらも別の意味で難しいですね。
使い方
堆肥のように大量にまくために追肥が難しいものや、土の中に均一に混ぜておきたいものを投入できるのが元肥の強みです。植え付けの数週間から数か月前に発酵していない有機肥料を土に鋤きこんでおくことで、土の中で発酵を済ませて置くことも可能です。
弱点は短期間しか効果がない肥料や流失しやすいを元肥にしてもあまり意味が無いことと、作物の植え付けスケジュールによっては予めまいておくことが出来ないことでしょうか。
例えば、露地トマトを8月いっぱいまで育てて9月に入ったら大根の種を蒔こうという畑では、1か月前に元肥を入れて土になじませるということはできません。どうしても1か月前に入れなければならない元肥があれば、トマトを7月いっぱいまでで諦めて抜いてしまう必要が出てきます。
元肥と言えども生の有機物を投入する時には注意が必要です。
植えつける時点で発酵が終わっているように計算して早めに投入しておかないと、発酵で出る熱で植えつけたばかりの作物が傷んでしまいます。投入する量が多いと熱の量も増え、温度が低い時期だと微生物の分解速度が遅くなるのは元肥でも追肥でも同じです。