堆肥の確保 – 今夏の太陽熱養生処理に向けた準備
徳本です。
今日は、鳥取県I町の山深い場所にある肉牛の牧場にやってきました。目的は、堆肥の確保です。
いかに良質な堆肥を、必要量確保するか
今後は毎夏、すべての圃場に対して太陽熱養生処理を実施する予定です。僕たちが今、考えなければならないのは今年、そして今後、圃場拡大に伴って増えていくであろう大量の堆肥をいかに安定的に確保するか、ということです。
そんなことを考えながら毎日暮らしていると、不思議なもので、クルマで道路を走っていても目に入ってくる景色が違ってきます。今までは気にも留めていなかった畜産業の看板や堆肥場が自然と目に入ってくるようになるわけです。
そんな流れで、いつものごとくアポなし突撃で入って相談したところ、ある畜産業者の方から堆肥を入手できることになりました(感謝)。
サンプルをもらって成分解析を実施。
この解析結果を元にして試算し、各成分の過剰症が出ないギリギリの量である、反当たり1トンの堆肥を投入することに決めました。
今夏は5ヘクタールの圃場に堆肥を入れるため、50トンの堆肥が必要となる計算です。
ただし、この堆肥は炭素率(C/N比)がやや低いため、これだけでは太陽熱養生処理の目的は達成できません。そのため、分解の早い草や藁などのセルロース資材を同時に投入する必要がありますし、嫌気性微生物の仕込みも重要です。
当然、セルロース資材も大量に必要となるため手配が必要ですが、道路や土手などの除草を請け負う業者に問い合わせたところ、提供可能とのことで、なんとか目処が立ちました。
そして今日は、その牧場や堆肥場に、設備や牛の飼料の確認、また堆肥の運搬計画についてすり合わせに来た、というわけです。
T牧場
まずは牧場内を担当者の方に案内してもらいます。
ここには畜舎が大小合わせて6つほどあり、およそ1000頭近い黒毛和牛を飼育されています。
T牧場さんで作られる堆肥は、主に脱臭目的で追加された環境資材(ケイ酸カルシウム水和分)を追加したオガコが敷かれた畜舎で牛が飼育され、そこに溜まった糞尿が自然発酵したものです。
針葉樹と広葉樹の混合のおがくず。様々な木の香りがします。
畜舎から収集された糞尿は、一旦この仮置き場に集められて保管され、計画的に別の場所にある堆肥場へと運搬されていきます。
続いて堆肥場に移動。堆肥場は牧場から車で15分ほど離れた場所にあります。
写真左側のホイルローダーがある手前のエリアから奥に向かって、定期的に場所を移動させながら切り返しを行い、およそ半年かけて発酵を進めていきます。
牧場から運ばれたばかりの堆肥はまだアンモニア臭が残っていて、発酵・分解が進んでいませんが、最終段階に来るとほぼ無臭で、手で触ってもサラサラとした感触です。
牧場の方は「これでも、堆肥を取りに来られる方は、まだ発酵がきちんと進んでないねと言われるんですよ」とおっしゃってましたが、僕たちが使用する堆肥は、おがくずが完全に分解されたものではない多糖体が多く残る中熟堆肥、おそらく好都合です。
来週か再来週にかけて、ダンプ2台で50トンをトゥリーアンドノーフの圃場に運搬する予定です。