「1本5000円のレンコンがバカ売れする理由」野口 憲一

和多瀬です。

この春、発売されて話題になった書籍、「1本5000円のレンコンがバカ売れする理由」を読んでみました。

最近よく耳にする「生産性の向上」ですが、農業においては、主に三つの方法があると考えられます。

一つは、作業を効率化して労働時間やかかる費用を減らすこと。二つ目は野菜の生育を揃えて秀品率を高めること。残る一つは、よそにはない価値を野菜に与えて売価を上げることです。

一つ目と二つ目については多くの人が真剣に考え、取り組んでいると思いますが、三つ目に対して真剣に取り組んでいる農家、農業法人がどれほどいるでしょうか。

本書によれば、レンコンの一般的な価格は1000円ほどだそうですから、5000円のレンコンは5倍に相当します。

僕たちの小松菜が5倍の価格で販売できれば、どれだけ控えめに言っても最高なわけです。

何をすればそんなことが実現できるのだろう。そんな思いで、本書を手に取りました。

「1本5000円のレンコンがバカ売れする理由」

結論を書くと、その答えは書いてありません(笑)。

ただし、著者である野口さんが何をしてきたかが事細かく書かれています。

では彼のやってきたことを真似すれば、僕たちも成功するのか。

答えは当然のことながら、ノーです。

では彼のやってきた失敗から学び、それを避ければいいのか。

この答えも、ノーです。

この本に書いてある数々の失敗、例えば、親族に猛反対を受けながらも数百万円を投資して食品展示商談会に出店した結果、レンコンが1本も売れなかった(商談が成立しなかった)話も、彼が書くとおり失敗なのかも知れません。

しかし、これを含めて彼が行った様々な営業活動やマーケティングは、個々には失敗のように見えていても、そこから偶発的に生じたできごとが一本の糸のように繋がっていきます。

その細い糸が放つ鈍い光を見逃すことなく、そこから果敢に攻め続け、新しい偶発的な成功を呼び込んでいくのです。

彼の凄まじい行動力と対をなすのは、長い歴史と、実は改革派だった父親の技術と経験に裏付けられた確かな品質のレンコン。

かのスティーブ・ジョブズも「どんなマーケティングでも、駄作をヒットさせることはできない」と言っています。

その価値があるはずだと信じたからこそ、野口さんはレンコンを5000円で売るための努力をしたわけです。

「どうせ無理」

当然、市価1000円のレンコンを5000円で売ろうとするのですから、周囲からは悪口や中傷の言葉がささやかれます。そして人からやる気と夢を奪う悪魔の言葉が、野口さんの耳にも届きます。

「どうせ無理」

(「どうせ無理」という言葉がどれだけ破壊的か、参考までに以下の動画をどうぞ)

その悪魔の言葉も、野口さんの行動力を抑えることはできなかったわけですが。

さて、では僕たちも目標を明確に定めて、がむしゃらに行動すれば目標を達成できる可能性はあるでしょうか。

あるような気がします(笑)。

いや、あります。

その確証となる二つの点をこれからご紹介します。

野口さん級の行動力

トゥリーアンドノーフにも稀代の行動力を持つ男がいます。

代表の徳本修一です。

ただ、今まではやや場当たり的で、明確な目標のためにその行動力を活かしていたとは言えないこともままありました。

彼の行動力の効果を最大化するために必要なのは、二つ。

なんのために行動するのか、しているのかを明確にするための計測可能な目標を決定すること。

確かな野菜が必要(つくる!)

そしてもう一つは、野口さんに確かな品質のレンコンがあったように、僕たちにも美味しくて、栄養満点の「元気になれる野菜」が必要です。

BLOF理論からはじまり、その後も科学的視点とデータ重視の農法を実践してきて、現在はかなり高品質の小松菜を収穫できるようになっています。

そのほか、今年から挑戦する20品目近い野菜とコメについても、高い品質のものが収穫できるよう奮闘中です。

しばらくはしっかりとした野菜が栽培、収穫できるよう技術の研鑽に努めつつ、自分たちの野菜を高付加価値な製品にできるよう知恵を絞り、目標を定め、猪突猛進で行動していきたいと考えています。


和多瀬 彰

TREE&NORFのWEBサイト、印刷物などの制作を担当しています。趣味はキャンプと読書。最近、初めての子どもが生まれ、バタバタな毎日を送っています(詳しいプロフィールはこちら)。

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