科学的有機農業事業体をつくる

徳本です。

先日、提携農場で生産した野菜をトゥリーアンドノーフブランドの野菜として販売する、新しい方針を発表しました。

では、なぜ、県内外の別事業者の農場と提携するという方向に舵を切ったのか?

有機野菜の国内マーケットは非常に小さい

日本国内で流通する農産物のうち、有機野菜が占める割合は0.2%ほど。

この実に小さなシェアの中で、生産規模の比較的小さな生産者、生産技術や情報、流通などが細分化しています。それが、本来なら成長余地が大きなはずのマーケットの成長を、鈍化(というよりもむしろ頭打ち)させている要因の一つになっています。

結果として、我々生産者の声は小さくなり、買い手市場傾向、価格は価値と乖離してデフレに進んでいます。

パワーを持った組織と仕組みの構築が必要

2025年には団塊の世代の多くが後期高齢者(75歳)となり(いわゆる「2025年問題」)、また3人に一人が65歳以上になると推計されています。

この、国内の人口構造の急速な変化に伴い、我々の生活を取り巻くあらゆる産業の構造も変革を余儀なくされることが予想されますが、農業界、特に有機農業の生産者からは、この現実に対する危機感の声はほとんど聞こえてきません。

もともと小さいマーケットの縮小を抑え、成長させ、その中でいかにプレゼンスを発揮していくか。

生産力と出荷力を高め、全国津々浦々に有機野菜を提供できる仕組み、マーケットに対してのパワー、つまり価格決定権を持つ組織を構築する大胆な改革は、待ったなしです。

日本の有機野菜=トゥリーアンドノーフ

パワーを持つには、マーケットが要求する量の野菜を安定的に出荷する、事業としての(当たり前の)成熟性が求められます。

国内の有機野菜の市場はおよそ200億円と言われていますが、この流通をすべて仕切ることができる生産事業組織をトゥリーアンドノーフで構築したいと考えています。

つまり、日本の有機野菜=トゥリーアンドノーフ、という世界です。

逆に言えば、これを達成しなければ、マーケットに対するパワー、価格決定権を持つことはできません。

こうした流通の取り仕切りは、これまで卸や仲卸が受け持ってきましたが、これを生産者自身がやることに大きな意味があります。

流通を一本化するだけでなく、肥培管理情報の共有と技術の体系化、人材育成、テクノロジーの導入、ファイナンスなど、あらゆるモノゴトを生産現場にフィードバックし、生産性の向上、収穫と出荷の安定化、利益率の向上に繋ぐことができるからです。

これからの農業の中心となるべき、科学的有機農業事業体を作り上げ、将来は世界にほ場を展開していきたいと本気で考えています。

それが「一人でも多くのお母さんと子どもたちに、安全で美味しい野菜を届けます。」という目標の実現に確実に繋がると信じているからです。


徳本 修一

トゥリーアンドノーフ代表取締役。消防士、芸能マネージャー、歌手、ITベンチャー役員を経て、子どもたちがおいしく安心して食べられる野菜を作るため鳥取に帰郷しトゥリーアンドノーフを発足。コメで世界を獲ったるで!(詳しいプロフィールはこちら)

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