IT化? タテタテヨコヨコ? 既存の代掻きに物申す!

徳本です。

水稲栽培のキモとも言える代掻きと田植えを今週のうちに終えることができそうで、ホッと胸をなでおろしています。

僕たちは水稲栽培は今年で2年目ですが、去年は代掻きも田植えも作業委託していたので、自分たちでやるのは今年が初めてです。

スポンサー広告




今年は32ヘクタール、150枚の田んぼで稲作するわけですが、これだけの数の田んぼにおいて、限られた日数のなかで天候その他条件を鑑みながら、適切に作業を進めていくことができるのかどうか……。

心配で夜も眠れない日々を過ごしていましたが、ようやく一息つくことができそうです。

代掻きに物申す

さて、今日のブログでは、この代掻きについて書いてみたいと思います。


田んぼを代掻き(荒代)している様子

代掻きはおもに、以下のの3つの目的で行います。

  1. 田んぼの表面を均平にする
  2. 田んぼの水持ちをよくする
  3. 田んぼの土を細かく砕き、田植えができる状態にする

(いきなり)余談ですが、僕たちは昨年まで、小松菜などを栽培する野菜農家でした。

当時は、いかに水はけをよくするか(排水性)を考えた圃場づくりに取り組んできましたが、水稲農家になると逆に圃場の水持ちをいかに良くするかという、真逆のアプローチで圃場づくりをすることになります。これが非常に新鮮で、また面白くもありました。

代掻きは、水の特性を理解し、いかに効率的に使いこなすかということが最も重要なポイントになるということを、実感しました。

全く条件の異なる150枚の田んぼを代掻きするということ

さて、目的は同じでも、鳥取という限られた地域でも集落が違えば考え方、やり方が違ってきますし、視野を全国へと広げれば、本当にたくさんのやり方があると思います。

僕たちが稲作している150枚の田んぼは、10以上の異なる集落にまたがっています。農業慣習が違えば、代掻きの方法論、やり方も違いますし、何も言わない人もいれば事細かく指示する人など、農家も様々です。

そして、一口に田んぼと言っても、それぞれ土質が違いますし、長年稲作されてきた田んぼだったり、昨年まで耕作放棄地だったり、野菜をつくっていた畑から田んぼに転作したケースもあります。

最初に書いたとおり僕たちは稲作、実質1年目ですが、こうした様々な事情や条件の下、多くの田んぼで代掻き作業をしてきた結果、相当な経験と知見を有することができたと自負しています。

例えば、Aという地域における代掻きの方法論や作業は、その中では正解で長年続けられてきたものかも知れませんが、これまで相対的な評価を受けたことがありません。

一方、僕たちは1年間という短い期間ではあるものの、AだけでなくBやC、D、Eと数多くの地域で、数多くの田んぼを代掻きしてきましたので、それぞれの地域の手法を相対的に評価することができるわけです。

慣習に経緯を払いつつ、固定観念を打ち破る

長い時間をかけて築かれた慣習や手法には敬意を払いつつも、常に科学的視点と経営的視点で、自分たちの目的に照らし合わせて評価し、必要であれば大胆にやり方を変えていく必要があると思っています。

「代掻きは速度2km/h未満でゆっくりと、タテタテヨコヨコしっかり掻け。それから1週間時間をおいてから本代を掻かないけん」

時にこうした指導を受けることがあります。

確かに、美しい仕上がりが期待できそうです。数十a、数枚の田んぼで行う代掻きであれば正解なのかも知れません。

しかし僕たちはかなり限られた時間のなかで、150枚の田んぼを代掻きしなければならないので、そのやり方では現場は絶対に回せません。

「本当に2km/hじゃないとダメなのか。4km/hだとどうなのか。どの程度、違った結果になるのか」「タテタテヨコヨコと言うけれど、タテタテだけじゃダメなのか。それはなぜなのか」

言われたことだけを愚直に行うだけではなく、常に良い意味で疑問を持って考えていくべきだと感じています。

もし2km/hで作業すべきところを4km/hで、タテタテヨコヨコやるべきところをタテタテだけでやれば当然、代掻きに要する時間は圧縮されます。収穫量や品質が極端に変わらなければ、同じリソースで栽培面積を増やすことができます。つまり、生産性を向上させることが可能になるわけです。

もちろん、4km/hにしたことで、タテだけにしたことで収穫量や品質が落ち、代掻きにおける作業効率の向上に見合わないほど売上げが落ちる、つまり、結果として生産性は向上しなかったといったことも想定しておく必要があります。そうした経験が、地域の手法、やり方を生んでいる可能性があるからです。

一年一昨である稲作でPDCAサイクルを高速で回すことは難しいものの、しかし、やはり僕たちは、仮説と検証を繰り返しながら取り組んでいきたいと思っています。

代掻きは美味しいお米をつくる手段の一つであって、決してそれ自体が目的ではないからです、

この記事とほぼ同じ内容になりますが、僕が熱く語っている動画を、僕たちの代掻き作業とあわせてご覧いただける動画をアップしました。ぜひご覧ください!


徳本 修一

トゥリーアンドノーフ代表取締役。消防士、芸能マネージャー、歌手、ITベンチャー役員を経て、子どもたちがおいしく安心して食べられる野菜を作るため鳥取に帰郷しトゥリーアンドノーフを発足。コメで世界を獲ったるで!(詳しいプロフィールはこちら)

あわせて読みたい

ご意見・ご感想をお聞かせください

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です