農事組合法人 光輪を視察
徳本です。
台風18号が接近する大雨の9月8日、愛知県南知多町にある農事組合法人 光輪さんへ、スタッフ6名で視察訪問しました。
光輪さんは、1993年に設立され、有機農業の大規模化に取り組んでこられました。現在では国内最大規模の約20ヘクタール(約20万平米)の有機ほ場にて有機野菜の生産を行っています。有機大規模化を志向する僕たちTREE&NORFにとって、貴重な機会となります。
今村理事長、農場責任者の櫛田さん、篠原さんが丁寧に農事組合の沿革や、生産管理手法などを説明してくださいました。
南知多は何億年か前は海底であり、その堆積物が岩石化し、地殻変動により隆起したと言われている地帯だそうです。そこを国が、大規模なパイロット事業で開墾し、灌水(かんすい)施設を整え、大規模営農可能な環境をつくったとのこと。
また海底隆起層の頁岩(けつがん)という岩石が起点となり、ミネラルが非常に豊富な土壌を作り出しているので、この地帯では耕作放棄地が無く、奪い合いとまではいきませんが、農地が非常に確保しづらいという話でした。
それにしても、育苗施設やほ場集積のスケールの大きさには驚きます。この20ヘクタールの規模を8人で廻しているというのも、あらゆるインフラが合理的に整備されているからだと納得。
育苗施設の様子。
潤沢に水を使える灌水施設を備えたほ場(畑)の面積は一つが50~80アール(1アールは1000平米)で、それが一か所に集積しています(ちなみにTREE&NORFの畑はまとまってなく、大小複数の畑が何か所に点在しています。そのため移動が多く、作業効率が悪いという悩みがあります)。
広大なカボチャ畑。
土作りに関しては、EM菌(有用微生物資材)と堆肥。それ以外には基本的には何も使用せず生産されています。輪作*も少し取り入れておられますが、基本的には連作障害*がほぼ起きていないことを見ると、EM菌と堆肥のみで土壌バランスが良好に保たれていると思われます。
また、大規模においての合理的な作業体系は、非常に参考になりました。
今村理事長、櫛田さん、篠原さん、ありがとうございました。
【補足】
輪作:同じ土地に別の性質のいくつかの種類の農作物を何年かに1回のサイクルで作っていく方法(出典:Wikipedia)
連作障害:連作に起因する何らかの理由(主として土壌に関係する理由)により、次第に生育不良となっていく現象。連作とは、同一の畑で同一の作物を何度も繰り返し栽培すること。毎年度播種又は定植を行う草本性作物についてのことを言う場合が多い(出典:Wikipedia)