間引き – Culling

農業の言葉間引き

間引き(まびき)とは、混み合った芽を抜き取って適切な間隔にすることです。以下、農業の用語としての間引きについて説明します。

せっかく出た芽を抜くようなことをするくらいならば、種まきの時に最初から適切な間隔で1粒ずつ種を蒔けば良いと思う人の方が多いかもしれません。しかし、1粒ずつ種まきをしては都合の悪いことも多いのです。

一つは発芽率の問題です。種は蒔いたからといって、その全てから芽が出てくるわけではありません。種の種類や気象条件、土の条件などによっては半分も発芽しないこともあります。

畑一列で10本の作物を育てたい場合を考えてみましょう。発芽率50%の種があるとして、1箇所に1粒ずつ10箇所に蒔いて気象や土壌等に問題がないとしても、10箇所全てで芽が出てくれる確率は1024分の1しかありません。畑を一列用意しても2~3本しか芽が出てこないことはそれほど珍しいことでないでしょう。

1箇所に2粒植えれば75%の確率で少なくとも一本芽が出ることになり、3粒4粒…と一箇所に植える数を増やせば10本の作物を確保できる確率が高まっていきます。その際に一箇所に3本4本…と発芽する場合も出てくるので、間引きが必要になる場合も出てくるのです。

種の中には直径1mmもないような小さな種もあり、厳密に1粒だけ取り出して蒔くことが作業効率の面で悪いという場合もあります。

生えてきた複数の芽が同じ1箇所で成長してきて、そのままでは収穫物に問題があるときには間引きをします。太いだいこんが欲しい時に、1箇所にいくつも芽があると将来的には栄養分やスペースの奪い合いになって大きくならないのです。稲のように、植えつけた一箇所で混み合ってもそれほど問題にならない場合は間引きはしません。

間引きをする際には、複数ある芽の中から一番成長の良いものを選ぶことが出来るというメリットもあります。生育初期には1本だけ芽を育てるより、数本の芽を一箇所で育てた方が成長が良いという場合もあります。引っこ抜いた苗を間引き菜として利用できるもの多くあります。

このように、野菜の間引きは手間もかかりますが、メリットも多くあるわけです。