容量1100L×散布幅50m 巨大!VICON ワイドスプレッダーRO-M 1100G
徳本です。
種苗法改正案、見送りになりそうですね。。
さてさて、今回ご紹介するのは大型のワイドスプレッダー、VICON RO-M 1100G(以下、VICON RO-M)です。
メーカーのご好意でデモ機としてお借りすることができましたので、水稲農家としての使い勝手、感想をお伝えします。
VICON ワイドスプレッダー RO-M 1100Gの特徴
まず目に入るのは、1100リットルという大容量のホッパー(とはいえ、同メーカーのROMシリーズの中で最も小さなモデルなんですけどね汗)。
設備のない僕たちは、20リットルの肥料袋から手作業でひたすら肥料投入しましたが(汗)、このサイズになると、本来はフレコンに入った肥料をフォークリフトやクレーンで吊って投入するのが一般的です。
この大型のホッパーに積まれた大量の肥料を、「ローターフロー」システムが中央から左右にそれぞれ25メートル、最大50メートルの幅で散布していきます。
また、上写真内、VICON RO-Mの右下に付いている器械「トリムフロー」によって、散布幅を5メートルまで縮小することができます。この場合、本体右側に付いているので、進行方向の右側については5メートルまでしか肥料が散布されません(理論上は)。つまり、圃場の端から5メートル離れて走れば、隣の圃場には肥料が散布されない、ということになります。
そして、何と言ってもVICON RO-Mの最大の特徴は、「重量+補正センサー」とGPSとの連動(ISOBUS適合)です。
まず、圃場をその輪郭にそって走ることで、圃場の形状や面積が登録されます。登録されたデータと設定した散布幅によって、走行するべきガイド線がモニターに表示されるので、ガイドに従って走行、散布していきます。
VICON RO-Mが圃場と認識しているエリア=赤い線の内側でないと肥料は散布されない仕組みになっています。
実際に散布した場所はモニター内で緑色に塗り潰されています
また、緑色に塗り潰されたところ=すでに散布した場所では自動的にローターフローシステムが停止し、肥料の散布が中止されます。逆に、緑色に塗り潰されていないところ=まだ散布できていない場所にくると、自動的に肥料の散布が開始されます。
つまり、肥料を均一に散布することができ、無駄に肥料を消費することを防いでくれるわけですね。
一度登録した圃場はデータとして残るので、同じ圃場に入るとGPSで登録圃場であることを認識してくれます。
うーん、まさにスマート農業。
2つの圃場で実力を検証
さて、これらの機能が、果たして僕たちの圃場や作業環境、ニーズに合致しているのか、どうか。
何日にも渡って使用し、確認してきました。
そして、特徴的な2つの圃場、1)30aと比較的広く整った形状の圃場、2)7aと狭く三角形の変形圃場。ここで実際にVICON RO-Mが、どれくらいのパフォーマンスを見せてくれるのか、検証してみました。
今回のこの記事に書かれている機能紹介、以下に続く問題点・課題点も含めて、動画にまとめていますので、是非ご覧いただければと思います。
結論
現在、僕たちは約150枚、延べ32ヘクタールの水田で水稲栽培しています。
その中には、上記で見たように、比較的広くて形が整っている圃場もあれば、小さくて変形しているような圃場もあります。
これら全てにマルチで対応してくれる農業機械なんてないことは分かっているのですが、現時点で、そしてさらに圃場が増え、栽培面積が増えるであろう数年先の見通しの中で考えて、どの程度VICON RO-Mが活躍してくれるかと言えば、現時点では導入は少し難しいのかなというのが率直な感想です。
また、水稲での使用の場合、今回のように水を入れる直前に圃場に入ると、その自重から深い轍を作ってしまって地を傷めたり、タイヤが拾ってしまった土が農道に大量に落ちてしまって清掃に労力を要するなど、使用する時期やコンディションなど、やや条件を整えないと使いづらいと感じた点もお伝えしておきたいと思います。
深い轍
農道に落ちた土
大規模な畑作、広大な牧草地など、広い区画での使用であれば、大型+GPS連動による正確な施肥で間違いなく生産性向上が見込めるでしょうし、導入する価値は十分にあると思います。
ではまた来週。
直播とへの字農法に取り組んでます。研究熱心の様なので、是非チャレンジして下さい。