種籾の鉄コーティング-水稲直播栽培の準備
徳本です。
トゥリーアンドノーフは昨年から水稲栽培をはじめていますが、今年はさらに面積を拡大し、大規模化を進めていきます。
大規模化を進めるにあたって重要になるのが、省力化ですが、その一環で、直播(ちょくは)栽培を試験的に導入します。
今日はその準備、米の種籾の鉄コーティングについてご紹介します。
一般的な田植え
一般的な「田植え」(移植栽培)は、育てた苗を苗箱で田んぼに運び、田植え機で植えるという作業です。
技術的には完成されている半面、工数が多く、繁忙期に作業が集中し、管理できる面積に限界が生じてしまいます。
大規模になると何千枚もの苗箱が必要になり、播種から育苗管理のためのハウスや関連資材など、大きな労力と設備が必要になってきます。
直播栽培
一方、直播栽培は種籾を田んぼに直接播いて栽培します。育苗や苗の運搬、田植え機による田植えといった工程を省略できます。同じ面積に対する必要作業時間が少ないため、より広い面積を管理することができるようになります。
アメリカやオーストラリア、欧州などの水稲生産は、日本に比べて面積が広いので、直播栽培が採用されています。
アメリカの広大な水田を飛行機(セスナ)で、ダイナミックに種籾を播く映像を見たことはありませんか? セスナで種を播く専門の業者もおり、アウトソースするケースが多いようです。一見大雑把な作業に見えるかもしれませんが、催芽籾(さいがもみ)といって、デリケートな芽出し管理とその後の水管理が非常に繊細に行われています。
ちなみに僕たちは、農業用ドローンで直播する予定です。
直播栽培のリスクとは
直播栽培には良い面だけでなく、デメリットや、移植栽培に比べてリスクが高まる点もあります。
まず一番怖いのが、収量が激減するリスクです。
田んぼに種を播き、そこからヨーイドンで雑草との背比べがはじまるので、苗からスタートできる移植栽培に比べて雑草に負ける可能性が高くなり、敗北した場合、収量が減少するわけです。
また、苗箱から発芽させ育てるのと比較すると発芽率が不安定です。種籾はスズメ、カラス、カモなどの大好物なので、鳥害リスクも高まります。
作業の省力化を見込める半面、生産リスクがぐっと高くなるわけです。
種籾を鉄でコーティング
この記事の主題である「種籾の鉄コーティング」ですが、前出の鳥害のリスクを減らす目的で実施するものです。
先日、直播栽培に協力くださるJA全農とっとりに、鉄コーティング作業のデモンストレーションを実施してもらいましたので、その様子をご紹介します。
まず、芽出しした種籾、鉄粉とシリカゲルを専用撹拌機に入れて撹拌(かくはん)します。
この時の水分量が重要で、実際に湿り具合を確認しながらコーティングしていきます。
(簡単に動画にまとめましたのでご覧ください)
作業当日は灰色の種籾でしたが、
数日後には酸化して赤茶色の鉄の錆びた色になります。
これでひとまず完成です。
鉄コーティングした種籾をつかって、今月中旬、湛水直播を実施する予定です。
乾田直播と湛水直播
直播栽培には主に、乾いた田んぼに播く「乾田直播」と、水を張った田んぼに播く「湛水直播」の2つのアプローチがあります。
どちらも、種を播くまでの田んぼの準備(特に均平)と、水持ちの良さ(水管理しやすい)が重要ですが、僕たちは、鳥取の曇天長雨の気候特性を活かしやすい湛水直播で試験栽培予定です。
その様子はまたブログやYouTubeで紹介しますので、どうぞお楽しみに!
それではまた来週。
* Kubota 鉄コーティング湛水直播とは?
* ヰセキ 「直播栽培技術の比較」
* コーティング資材は、他にべんもり、カルパーなどもあります。
今日は、直播栽培はこれからドローンなとを使用して行われる様に成る可能性が高いと思いますが?
世界で唯一類を見ない軟質米に適した栽培農法なのか疑問視されます。カルホルニア米もそのかべにぶつかっている様に思います。成育状態、特に分けつが問題で、ある程度苗どうしが重なり合う3〜4本株うえすることで程よく分けつする軟質米をどう処理してぶんけつをうながすか?ですね。
4年目です、今年もドローンで種まき(鉄コーテイング)9/17最初の収穫してきました収量も順調
来年はたくさんのお客様にドローンで直播してもらいたいです。
来年は是非一度長野安曇野に来られて見ますか? 090-1481-0060