耕作放棄地の開墾と薪ストーブの関係とは
徳本です。
僕の自宅には、ベルギーのドブレ社製ビンテージ50という薪ストーブがあります。
我が家の狂犬愛犬もストーブの前から離れません
東京に住んでいるころから薪ストーブに憧れがあり、冬の寒い夜、薪ストーブの前のソファで、スコッチを揺らしながら好きな映画を見る。的な妄想を膨らませていました。
10年前、就農するため鳥取に帰郷し、自宅を新築した時に念願の薪ストーブを導入!
画像出典:PLUS CASA
僕の無数にある妄想の一つが、ついに現実となりました。
ゆらめく炎を長めながら、大好きなお酒、映画とともに過ごす時間は、僕にとって最高の癒しですね。
薪ストーブ、最高ッ!
と言いたいところなのですが、手放しで礼讃することはできません。
大変ポイント1: 薪の調達
薪ストーブを使ううえで大変なのは、なんと言っても薪(の原料となる木)の調達。
我が家の場合、1年に使う薪の量はおよそ2トン。通販でも調達することはできますが、送料を含めるとキロ100円ほどになり、1シーズンで20万円以上になります。で、断念。
買わない以上、自分で調達する必要があるわけですが、これもまた大変。
当然、その辺の山の木を勝手に切るわけにもいきませんので、知り合いを頼って倒木してもよい林を紹介してもらったり、常にアンテナを張って情報収集し、「薪になりそうな木がある」という情報があればさっと馳せ参じるフットワークの軽さも重要です。
そしてもちろん、木なら何でもいいわけではなく、油分の多い針葉樹よりも(薪ストーブが汚れ、ダメージが蓄積しやすい)、しっかり長く燃えて煙も少ない広葉樹が良いわけです。
大変ポイント2: 薪づくり
さて、仮に「うちの山の木、なんぼでも切っていいよ」という話が舞い込んだとします。
当然、「やった!」となるわけですが、ここから薪になるまでが長い。
山にある木を倒木し、運べるサイズに切って山から降ろし、軽トラなどで自宅まで運搬し、ある程度の大きさの薪小屋で最低でも1年以上は乾燥させ、薪ストーブに入る大きさに玉切りし、さらに4〜6分割してようやく薪になります。
もちろん、チェンソーや薪割り機などの専用機械も必要ですが、数十万円とバカにならない出費です。
ある友人から、「自宅用のものをつくるついでにたくさん薪をつくって、販売すればいいじゃない」と提案されましたが、薪をつくってキロ100円程度で売るくらいなら、薪ストーブの前でスコッチ飲んでまったりしていたいですね(笑)。つまり、とても大変な作業なので、自宅用の薪をつくるだけでお腹いっぱいになる、ということです。
大変ポイント3: これが終わりなく続く
見てきたように、薪の原料となる木の調達、薪づくりはとても大変で、特に体力的な負担はかなり大きなものがあります。
僕はまだ40代半ばで体も動くのですが、60代、70代と年齢を重ねていった時に、果たしてこの作業を楽しみながらできるかと問われれば、Yesと笑顔で即答することはできません。
薪ストーブを、薪の調達なども含めて楽しみながらつかうには、健康で、体力も維持しなければいけませんね。
一石二鳥の耕作放棄地開墾
このように毎年、薪の調達には四苦八苦しているわけですが、ここ数年そのプロセスの中で小さな楽しみを見つけました。
一昨年から、区画の広い耕作放棄地を精力的に開墾しています。なかには木が生えて大きく成長している耕作放棄地もあり、これをトラクターやユンボで引っこ抜き、チェーンソーで切り刻んで、薪にしています。小枝も焚き付け用で重宝します。
耕作放棄地の開墾はかなりの労力を要しますし、雑木が生えていると尚更ですが、僕にとっては、開墾もできて薪の原料も調達できて、これぞまさに一石二鳥! なわけです。
3月とはいえ、鳥取の夜は冷え込みます。今夜もまた薪ストーブの炎に温められながら、この記事を書いています。
それではまた来週。