有機じゃがいもの栽培スタート(野菜とミネラルの話も、少し)
徳本です。
3月に入り、今年の有機じゃがいもの栽培の準備が本格的に始まりました。品種は昨年同様、男爵とメークインを予定しています。
本来なら昨年のうちにやっておくべき土づくりの準備ができていない部分もありますが、できる限りのことを定植(*)までに実施していきます。
*定植=種芋の植え付け。詳細は「有機じゃがいも メークインの植え付け」をお読みください
有機じゃがいも畑の土づくり
今日のような晴れの日は、ひたすらトラクターで土づくり作業。土壌分析の結果に基づいて細かく計算し、個々の圃場(畑)の状態に合わせて、いま必要なものを必要なだけ投入してやります。
トラクターの後部に設置した攪拌(かくはん)と散布のできる機械に、カルシウムやマグネシウム、鉄分、マンガンなどのミネラルを流し込みます。
力のない僕は、袋の開封が専門(笑)。
野菜とミネラル
ところで「人間はミネラルバランスが大切」とか「現代人はミネラルが不足している」というようなことを耳にしたことはありませんか?
ちょっと専門的な内容になりますが、野菜(植物)にとってもミネラルはとても重要な要素です。野菜が健康に美味しく育つための必要なミネラルは13種類ほどあり、それぞれが多すぎても、少なすぎても、野菜は健康に育ちません。
野菜はミネラルなど土の養分を根から吸い、光合成を繰り返して成長します。野菜に吸収されてしまった土のミネラルや養分は、自然には補われないものもありますので、それらを人為的に土に加えてやる必要があります。
先に書いた土壌分析とは、どのミネラルがどれくらい土の中に残っているのかを数字で確認する作業のことです。
ミネラルバランスの整った野菜は、食べて美味しいのはもちろんのこと、病気や虫に対して抵抗性が強くなります。農薬や化学肥料を一切使用しない私たちにとって、この作業はとても重要な意味を持ちます。
さて、撹拌器に入れたミネラルを十分に攪拌したら、散布開始!
今日は約50アール(5万平方メートル)の畑への散布作業を行いました。ここだけでおよそ15トンの収穫を予定しています。
天気が良いと、こうして南に鷲峰山(じゅうぼうざん)が望めます。
別の圃場では、土壌内の余計な水分を排出するための明渠(*)を掘るための準備作業。
*明渠=めいきょ。上部が解放された溝。開渠。上を閉じたものを暗渠(あんきょ)と言う
圃場では一羽の鷺がのんびりと羽を休めていました。
2月に何名かがTREE&NORFを卒業し、少数のスタッフでの運営となりましたが、精鋭ぞろい。機敏で無駄のない動きにさらに磨きがかかり、それを見ている僕も思わずほくそ笑むほどです。
さぁ、美味しい有機じゃがいも、たくさん作るぞ!