白菜の「黒い斑点」の正体とは?
徳本です。
気がつけば2月も終盤ですね。3月になってもまだまだ寒い日はありますが、3月と聞くとぐっと春を身近に感じます。
気候が暖かくなって過ごしやすくなると嬉しいですが、寒いからこそ美味しい料理もたくさんあるので、それが少しずつ食卓に上がる回数が減っていくのは、少し寂しいものです。
その代表格は「鍋」ですよね。鍋を食べる時によく使うのが、白菜。
TREE&NORFの白菜。今年も苦戦し、十分な量の収穫ができませんでした(汗)
さて、この白菜ですが、スーパーなどで白菜の葉に黒っぽい斑点があって「これって汚れかな? もしかして病気?」と思われた方、いらっしゃるんじゃないでしょうか? 一瞬、小さな虫がたくさん付着しているようにも見えますし、驚きますよね。
今日はこれについて少し解説してみましょう。
結論:食べても問題ありません
この黒い斑点は、汚れとか、白菜の病気の類ではありません。ですから、食べても問題はありません。
白菜の黒い斑点は「ポリフェノール」
この黒い斑点の正体は、ポリフェノール。野菜を含め、ほぼすべての植物が持っている成分です。
このポリフェノールが、栽培環境や栽培方法によって白菜の表面に小さなかたまりとして出てきた状態で、一般的に「ゴマ症」と呼ばれています。
「ゴマ症」になる理由は?
先に書いたように、栽培環境や栽培方法によって起こる現象なのですが、少し具体的に説明しますと、
- 肥料をたくさんやり過ぎた*
- 気温が高過ぎた
- 気温が低過ぎた
- 狭い場所で過密な状態で育ってしまった
などです。
言ってみれば、白菜にストレスがかかってしまい、それが表面化した状態ですね。
僕たちの栽培した白菜では、ゴマ症の白菜は見られませんでしたが、気温など、自分たちではコントロールしづらい要因もあるので、完全に防ぐのはなかなか難しいかも知れませんね。
見た目が悪いので、不人気ですが
まとめると、食べても問題ないですし*、黒い斑点はポリフェノール=むしろ健康のために積極的に摂取されている成分、なのです。
と聞いても「見た目が悪い」ということで、やはりスーパーなどで売られていても最後まで残ってしまいます。売り場で人気がない、つまり商品価値が低いということになれば、収穫されても出荷されず廃棄される、といったことにも繋がります。
できるだけゴマ症の白菜をつくらないという作り手側の努力も必要ですが、消費者の黒い斑点に対する誤解が、「なんだか気持ち悪い」という思考につながり、「買わない、食べない」という行動につながっているのですから、まず最初の誤解を解きたい! という、今回のエントリーでした。
鍋シーズン、もうすぐ終わりますので、たっぷり白菜食べましょう!
*野菜の栽培に不可欠な要素でもある「窒素」の過多が要因の一つと言われています。窒素が多いと硝酸値も高くなり、味がやや落ちる場合があります。