2018年3月のふりかえり
徳本です。
2018年3月の作業記録まとめを共有したいと思います。
3月、トゥリーアンドノーフ2018年のシーズンが本格的にはじまりました。
2月は雪が積もって畑に残っていたり、雨が多かったりと、畑に入っての作業がなかなかできません。3月に入ると比較的天気も安定しますので、畑での作業を急ピッチで行います。その中心となるのが「粗耕起」と「耕耘」です。
この2つの作業は、次の作付けのために畑の土の状態を整える作業。畑の表層部分の通気性・水はけを良くする、土中に酸素を送り込んで好気性の微生物の活動を活性化させる、前の作付けで残った野菜や雑草などを土の中に混ぜ込んで野菜栽培の邪魔にならないようにする、土の塊を細かく砕く、といった目的で行います。
通常のロータリーを使うとかなり時間がかかる作業ですが、今年導入した大型トラクター「ニューホランドT4」に、「スタブルカルチ」(ニューホランド製品名「ドンディ・ソイルミックス」)を取り付けて作業することで、昨年と比べておよそ4〜6倍の速さで行えるようになりました。
スタブルカルチを使った粗耕起
スタブルカルチとは、トラクターの後部に取り付けて畑を掘り起こしながら土を砕くための農業器材です。
スタブルカルチを使用するメリットをまとめてみました。
- 通常のロータリー作業より深い位置(30cm前後)まで爪が入り土を起こすことにより、固くなった層を砕き、土の中に空気を入れる
- 1により、土の乾きが早くなり、次の作業に移りやすくなる
- 1により、好気性微生物が入りやすくなり土の質が変わってくる(ふわっと柔らかくなる)
- 水捌けが良くなり、根の張りが良くなる
- トゥリーアンドノーフの畑は必ず畝を立てるので、収穫が終わった後に畝を崩す必要がある。スタブルカルチは畝を崩しながら同時に耕起できるので、耕運作業が人にとっても機械にとっても、ストレスがない
- 作業スピードが速く(速度は時速8キロ〜12キロ。一般的なロータリー耕は1.5キロ〜2キロなので4倍から6倍の早さ)、短時間で大面積を耕耘できる
- PTO(*)を使用せず、トラクターがけん引するだけなので、燃費効率が高い(通常の2倍以上)
昨年は、悪天候もありましたが、この耕耘作業で想像以上に時間を消費して遅れを出し、その後の作付けスケジュールが崩れたり、満足な施肥ができずに野菜を壊滅させたりなど、厳しい結果となりました。
同じ失敗を繰り返さないために導入した大型トラクターとスタブルカルチ、想像したとおりの働きを見せてくれています。
3月に行ったその他の作業も、簡単にご紹介しておきます。
野焼き
作付けの準備作業の一環として、野焼きを行いました。
野焼きについての詳細はこちらをご覧ください。
溝掘り
畑の水はけを改善するために、畑の周囲に溝を掘る作業を実施しました。
溝掘り作業についての詳細はこちらをご覧ください。
施肥と畝立て
粗耕起を実施した畑で、施肥と畝立てを実施しました。
施肥と畝立てについての詳細はこちらをご覧ください。
播種
上記の方法で立てた畝については、下の写真ように、手押しの播種機で播種しました。
この春、新たに導入した機材の一つに、ワンポイントマルチシーダーがあります。これは、畝を立てながら播種し、さらにマルチングも行えるという、かなりマルチに作業をこなしてくれるマシンなのです。
このマシン導入後は、手押しの播種機とワンポイントマルチシーダーの二つの方法で播種しています。
ワンポイントマルチシーダーについての詳細はこちらをご覧ください。
収穫と出荷
雪のために収穫できず、そのままひと冬、雪の中で眠っていた小松菜たちを、雪解けのあと確認したところ、比較的元気に育っている畑がありました。
小売用として、また、大きく成長し過ぎたのはスムージーなどの加工用として出荷しました。
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さあ、4月は播種がメインの月となります。どんどん種を播きます!
スタッフ一同、頑張りますよ!!
* PTO:パワーテイクオフ。車両駆動用のエンジン動力を作業機の駆動のために取り出す機構のこと